社長ブログ2022年03月22日

フードロスと食品安全

  1.  19日土曜日からの3連休中日の20日、札幌ドームでの日本ハムファイターズのオープン戦の最終戦を観に行ってきました。結果は勝ち試合で締めくくれ、今シーズンのペナントレースの行方も楽しみな1年となる予感がしました。

 さて、その帰り道、地下鉄までの混雑を避けるため、途中のガストでお茶をして帰ることにしました。そして、そのガストのタッチパネルに流れていたコマーシャルに目が止まりました。

  

 フードロスの問題は、ずーっと食品業界に課された大きな問題で、製造・加工の世界でいかに余すことなく原材料を使い切って商品にできるか、から始まり、消費期限、賞味期限が出現してからは食材の廃棄をいかに減らすかが大きなテーマであり、ガストを運営しているすかいらーくグループの取り組みは、その課題に真っ向から向き合った意味ある活動とは思いますが、別の側面からみると食品安全とは裏腹となりえる試みではないかとも思います。

 私が社会人になった昭和の頃から、すかいらーくグループには品質管理部門があり、食の安全に関する取り組みを積極的に行っていました。セミナーや講演会でも、何度もすかいらーくグループの品管の方のお話を伺った記憶がありますし、食品微生物の学会にも投稿されていたのをよく目にしていました。そんなすかいらーくグループが、お客様の食べ残しの持ち帰り用の容器を用意する、という状況に、なんか時代の変遷を感じたのでした。今までの飲食店、食品業界の常識では、食品安全の観点から、お客様の食べ残しの持ち帰りはタブーだったはずです。それを「食品ロス削減」という大命題の元、推し進めようとしているのです。私の個人的な見解では、持ち帰りの是非では「是」のほうで、持ち帰りを行うことに異存はないのですが、ただ、責任の所在をはっきりさせないと、不条理なクレームが増えやしないかと心配です。今の消費者には「自己責任」という認識が足りないと感じるクレームが多くなってきていると感じます。持ち帰りの際の温度管理や時間の管理が見えないこと、持ち帰ってからいつ食べるか?が見えないこと・・・不確定な要因の中でもしクレームが発生したときに、その責任の所在を明確にできるか・・・歴史と実績のある企業が決めたことです。色々なケースを想定して、それに対応できると判断しての取り組みだとは思います。ただ、時代は大きく動いているな、と感じた一コマでした。

 

この記事を書いた人:小林樹夫

所属:代表取締役 担当:皆の社長(笑)

小樽の漁師町の生まれ
人生の前半を小樽、函館で過ごし、酸いも甘いも色々経験(笑)後半の人生は、死ぬまで札幌で修行の予定。
さていよいよ50代最後の1年、来年は折り返しの年です。頑固でありながらも、いつまでも柔軟な感性を失わない、しなやかな社長=親父=おやじを目指してます❗