エムズ君と仲間たちの日常2021年04月07日

はなむけの言葉 

 ローストビーフを作る男子社員の投稿がありました(笑)。羽根田さん、誕生日おめでとう。

 弊社の仕事は、お客様の衛生管理のお手伝いをすることです。一般的には細菌のことや難しい衛生管理の仕組みのことを知っている専門家と思われがちですが、実はそれだけではお手伝いができません。弊社で一番大事にしていることは、料理に興味があること、食材を使って何かを作ることに興味があることです。6月から義務化されるHACCPとは製造工程、調理工程の管理ですので、当然製造工程、調理工程の確認を行うわけですが、その時役に立つのが自分で料理をしたことがあるか、自分で食材をさばいたことがことがあるか、です。その意味では、ローストビーフを作る男子社員(笑)は十分に弊社の社員である資格を持っているわけですが、ここで一つはなむけの言葉です。

 ローストビーフは食品衛生法上は「特定加熱食肉製品」という食品に分類されます。表面を焼いただけで中が生のお肉ではなく、法律上はきちんとした製造基準がある食べ物です。出来栄えが良くて、食べて美味しくても、その作り方に安全を担保するものがないとリスクの高い食べ物であるがゆえに、商品として流通させるためには法律上の製造基準が設けられています。以下、食品衛生法に記述されている製造基準を一部抜粋して掲載します。

 

3.特定加熱食肉製品
  特定加熱食肉製品は、次の基準に適合する方法で製造しなければならない。
  a 製造に使用する原料食肉は、と殺後24 時間以内に4°以下に冷却し、かつ、冷
   却後4°以下で保存した肉塊でpH が6.0 以下でなければならない。
  b 製造に使用する冷凍原料食肉の解凍は、食肉の温度が10°を超えることのない
   ようにして行わなければならない。
  c 製造に使用する原料食肉の整形は、食肉の温度が10°を超えることのないよう
   にして行わなければならない。
  d 食肉の塩漬けを行う場合には、肉塊のままで、乾塩法又は塩水法により行わなけ
   ればならない。
  e 塩漬けした食肉の塩抜きを行う場合には、5°以下の飲用適の水を用いて、換水
   しながら行わなければならない。
  f 製造に調味料等を使用する場合には、食肉の表面にのみ塗布しなければならない。
  g 製品は、肉塊のままで、その中心部を次の表の第1欄に掲げる温度の区分に応じ、
   同表の第2欄に掲げる時間加熱し、又はこれと同等以上の効力を有する方法によ
   り殺菌しなければならない。この場合において、製品の中心部の温度が35°以上
   52°未満の状態の時間を170 分以内としなければならない。

   第1欄 55℃ 56℃ 57℃ 58℃ 59℃ 60℃ 61℃ 62℃ 63℃

   第2欄 97分 64分 43分 28分 19分 12分  9分 6分  瞬時

 

一般家庭で作る場合には、全ての条件を揃えることは不可能ですし、それが出来なければ作ってはダメ、ということではありません。ただ、商品として流通させるためには、このような条件があるのだよ、ということを理解したうえで、では何に気を付けて料理をするか?を考えてもらいたいと思う次第です。

   何を大事にして料理をするか?何を大事にして人生を料理するか?

本厄を抜けて身辺新たに迎える新たな1年に向けてのはなむけの言葉です

 

この記事を書いた人:小林樹夫

所属:代表取締役 担当:皆の社長(笑)

小樽の漁師町の生まれ
人生の前半を小樽、函館で過ごし、酸いも甘いも色々経験(笑)後半の人生は、死ぬまで札幌で修行の予定。
さていよいよ50代最後の1年、来年は折り返しの年です。頑固でありながらも、いつまでも柔軟な感性を失わない、しなやかな社長=親父=おやじを目指してます❗