社長ブログ2019年11月04日

ドラマから衛生管理の本質を考える

 実は私、結構テレビドラマを観るのが好きなんですが、なかなかリアルタイムで観られないので録画をして観ています。先週観たドラマの中で、10月18日から毎週金曜日22時から放映している、NHK総合ドラマ10「ミス・ジコチョー~天才・天ノ教授の調査ファイル~」で、食中毒をテーマにした話がありました。松雪泰子さんが演じる天ノ教授が、「失敗学」なるものを武器に、事故調査委委員として様々な事故の真相に迫るという展開なのですが、その第2話が黄色ブドウ球菌による集団食中毒の真相に迫っていくとストーリーだったのです。

 黄色ブドウ球菌は典型的な毒素型の食中毒菌です。食中毒菌には、サルモネラやO157等のように細菌そのものが人の腸の中で悪さをするケースと、食品中で増えた細菌が作りだす成分(人が食べ物を食べるとウンチやおしっこ等を排泄しますが、細菌も食品中の成分をご馳走にして様々な成分を排泄しています)が人にとって毒になるケースがあり、後者の代表格が黄色ブドウ球菌です。そしてこの黄色ブドウ球菌、注意をしなければならない大事なポイントがあります。それは、黄色ブドウ球菌は熱に弱いが、作り出された毒素は熱に強いということです。それをもとにドラマは作られていて非常に興味深かったのですが、黄色ブドウ球菌による食中毒を防ぐためには、実はそれが食品を加工したり調理したりする際の食品の取扱い方のポイントにつながります。

すなわち

 ①黄色ブドウ球菌を食品につけない

 ②黄色ブドウ球菌を食品中で増やさない

です。

 ドラマの中では人の手に当たり前にいるように描かれていましたが、特に怪我をした場合や手荒れが酷い場合には高確率で手にいます。ですから最近では、素手で食品を触らず手袋の着用が当たり前になってきていますが、手袋を履いていても頭を掻いたり、咳やくしゃみを手で押さえては無意味です。それは、手以外に頭皮や鼻の周り、鼻の中、そして口の中に多くいるからです。ですから無意識に触らないように、帽子やマスクの着用が必要になってきます。それと、手袋を履くときには必ず最初は素手で触りますよね?ですから、手袋を履く前の手洗いはとても大事です。あと実は、休憩中のタバコも要注意です。口にくわえたフィルターを灰を落とす際に指で触りますよね。ですから、黄色ブドウ球菌を食品につけないためには、当然ながら休憩後の手洗いも必須です。そして②の増やさないためには、冷蔵庫の温度の確認が重要です。当然冷蔵庫は冷えているものだという思い込みを捨て、機械は壊れるものだという疑いの気持ちで定期的に温度を確認することが大事になります。そのあたりがドラマの中で描かれていました。でも実は、このドラマのストーリーの中で事故を引き起こした最大の要因は、素手で触ったハムを保管していた冷蔵庫が壊れて、庫内の温度が室温に戻っていたことより、室温に戻った冷蔵庫に保管されていたハムを廃棄せずにそのまま出荷したという「無知」と、利益優先の経営者の姿勢でした。ドラマの詳細はここでは割愛しますが、興味を持たれた方は是非見逃し配信などでご覧ください。

 過去の事故を振り返っても、結局「無知」と安全を無視した利益優先の経営姿勢が要因になっているケースが多いです。

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%AA%E5%8D%B0%E9%9B%86%E5%9B%A3%E9%A3%9F%E4%B8%AD%E6%AF%92%E4%BA%8B%E4%BB%B6

 来年から義務化される「HACCPに基づく衛生管理」を行っていく際には、衛生管理計画が必要になります。必要なルールを定めて「無意識」の行動をなくし、衛生管理計画に沿って従業員の教育を行い、衛生に関する知識を増やし、「無知」による事故を減らすことです。そして、経営者が率先して衛生意識を高め、過剰な経費削減を現場に求めない、ということも大事になります。実はこのHACCP、認証を取得しようとする時の一番初めの問いかけが「経営責任者は、自主的な衛生管理に積極的に取り組む意欲がありますか。」というものです。来年以降義務になる「HACCPに基づく衛生管理」を意味のあるものにするのは、実は現場ではなく経営者の意識が一番大きいのかも知れません。

 

この記事を書いた人:小林樹夫

所属:代表取締役 担当:皆の社長(笑)

小樽の漁師町の生まれ
人生の前半を小樽、函館で過ごし、酸いも甘いも色々経験(笑)後半の人生は、死ぬまで札幌で修行の予定。
さていよいよ50代最後の1年、来年は折り返しの年です。頑固でありながらも、いつまでも柔軟な感性を失わない、しなやかな社長=親父=おやじを目指してます❗