社長ブログ2022年04月12日

感染症との闘いと人類の未来

 新型コロナウイルスが世界中にまん延して3年目に突入しました。今はオミクロン株の派生型が騒がれております。この丸2年の間で敵が変異を繰り返すごとに、今度のは感染力が強いだの死亡者が増えただのと騒いでいますが、いつになったら終焉とみなすのか・・・感染者「0」なんてありえない話だし、ウイルスの変異は誰も止められない自然の摂理だし・・・なんだか出口の見えない戦いを行っているような気がします。そういえば、遠いヨーロッパの戦争もなかなか出口が見えてきませんね・・・

 そんな中、今日から1泊2日の釧路出張なのですが、午後から伺おうと思ったお客さんが新型コロナに感染して肺炎を引き起こして入院中( ゚Д゚)ホテルで溜まった書類の作成ができるか、と気を取り直して早めにチェックインして、部屋で仕事を始める前につけたテレビでやっていたのが「BS世界のドキュメンタリー:不死身のスーパー耐性菌 抗生物質が効かない未来」という衝撃的な番組・・・必然的にくぎ付けとなってしまいました。

 私が起業した頃に病院の院内感染で話題になっていた、メシチリンという抗生物質が効かない黄色ブドウ球菌:MRSAの話を論文か何かの文献で目にしたのが「薬剤耐性菌」との最初の出会いでした。当然食品の衛生管理でも話題となる黄色ブドウ球菌ですから、自ずと興味も引き、その後数々の薬剤耐性菌の話題を目にしてきたわけですが、今回久しぶりにお目にかかった耐性菌の話題は衝撃的なものでした。もう、新型コロナなんて騒いでいる場合じゃないよ!というくらいです。

 アメリカの畜産業界が“薬漬け”の飼料を使った結果、新種の耐性菌が世界に広まった例やインドの妊婦の間にまん延する耐性菌の報告などが次々に画面に紹介されていたのですが、番組が伝えたかったことは、細菌には新しい遺伝情報を獲得するという能力があり、その能力のおかげで他の細菌の持っている薬剤耐性の情報が次々と異なる種類の細菌たちに伝播していくということであり、最終的には現時点の医療の現場で最後の切り札となっている「コリスチン」という抗生物質が効かない細菌が現れてきている、という内容でした。

 結局、抗生物質の発見が感染症との闘いを人類にとって有利なものにしたのですが、結果としてそれに抵抗する細菌たちを次々と生み出すことになり、とうとう対抗しきれなくなってきている、ということなのでした。人類にとっては、抗生物質のない1900年以前の時代に逆戻りするということだ、と番組では話していましたが、実は今大騒ぎのコロナウイルスをはじめとして、ウイルスという生き物はもともと抗生物質が効かない敵なわけで、はてさてどんなもんだろうと思ったのでした。抗生物質至上主義の結末を伝えている番組でしたが、その先の未来の不安を煽っている考えもまた抗生物質至上主義では、と思うのです。

 食品の衛生の世界も、除菌、除菌で必要以上の薬剤が使われている気がします。今日伺った居酒屋のお客さんは、トイレや店舗の空間除菌のために光触媒の施工を高額な費用をかけて行った、と話していました・・・細菌たちとの共存。人の命に関わる仕事をしていると、どうしても全てを解決できる、解決したいと思ってしまうのでしょうが、人の力が神の力を凌駕することは到底無理な話で、それゆえに謙虚に、細菌や感染症に負けることも神の御力くらいに受け入れ、共存していく潔さも必要なのではないか、と思います。

 単純な構造の生き物の方が、生き残りの力を獲得する術に長けていると、私は思います。なので、あまり細菌やウイルスたちを薬でいじめず(笑)、ストレスをかけない方法でうまく住み分けができたら、細菌やウイルスの逆襲に会わないのにな・・・というのが、私の持論です。あくまでも私の考え方ですので、悪しからず。

この記事を書いた人:小林樹夫

所属:代表取締役 担当:皆の社長(笑)

小樽の漁師町の生まれ
人生の前半を小樽、函館で過ごし、酸いも甘いも色々経験(笑)後半の人生は、死ぬまで札幌で修行の予定。
さていよいよ50代最後の1年、来年は折り返しの年です。頑固でありながらも、いつまでも柔軟な感性を失わない、しなやかな社長=親父=おやじを目指してます❗