HACCP関連記事2020年07月18日

HACCP制度化と衛生管理計画

 コロナのどさくさの中、6月から改正食品衛生法が施行され、HACCPに基づく衛生管理が制度化されました。厚労省は各業界団体に指示して衛生管理計画作成のためのガイドラインを作成し、各事業者にはそれを参考に作成するように、と呼びかけております。「それを参考に」の解釈には様々あり、「それをそのまま使って」と解釈されるケースもあるようですが、環境も違い、使っている器具・機材も違い、働いている人や習慣も違い、作る料理のオペレーションも違う中、一律のガイドラインをそのまま使って・・・というのはいささか乱暴な話のような気がします。

 「ガイドライン」はあくまでも手引書、参考書で、そのまま使えるものではなく、その中に書かれている内容を各現場に合わせてカスタマイズする必要があるはずです。でも、日本人の「人と右習えで安心する」特性が邪魔をして、自分たちの現場に合わせるというオリジナリィティーの要求には一気に不安にかられ、結局はネットにでている他社の参考例をそっくりそのまま自社のものにしてしまう、というパターンに陥っているケースを多々目にします。でも、それでは「絵に描いた餅」です。現場に落とし込めないし、残っていく記録も時間と用紙の無駄遣い・・・

 これまでの間に、衛生管理計画の作成のお手伝いをしてきた中で話されたお客様の声をここにご紹介します。

・どうせ保健所が確認しに来ないのであれば、作ってなくても分らないでしょ

・どこか他の会社で作ったの見せてくれないか?それを参考に作るから

・ガイドラインを見たけど、何をどう書けばいいのか分からない

・毎日記録をつけるなんて出きっこない、記録なんてまとめてつけることになる

などなど・・・一つ一つの声は、現場からの正直な生の声で、そこに込められた気持ちは理解できるものではあります。結局は、皆さん不安の中、何をどうすればいいのか正直分からない、とうのが本音なのかな、と解釈しています。

 「文章や資料を読んだり書いたりして仕事をする行政の方々」と「経験と自分で獲得した知識を元に体を動かして仕事をする食品事業者の方々」。ともに相容れるためには、お互いの歩み寄りが大事なのだろうと思います。いや、立場的には優位にある行政の方々の歩み寄りが本来大事なのでは、と思います。ただ、そこで大きな課題が、絶対的な数のアンバランスさで、保健所の方々の人数に対して、食品事業者の数が圧倒的に多いのが現実です。では、今回の制度化の取り組みは無理なのか?とはいかないですよね。法律で決まったことですから。それに、そもそも皆さんが普段行っていることを文書にすることだけなのです。その文書にする作業のお手伝いをしているのが弊社の業務のひとつです。敢えて言うなら、

「文章や資料を読んだり書いたりして仕事をする行政の方々」と「経験と自分で獲得した知識を元に体を動かして仕事をする食品事業者の方々」の中間にいる橋渡し役が弊社の立ち位置であります。

 もし、先に書いたような悩みを抱えていらっしゃるなら、ご一報ください。無料とはいきませんが(笑)、できるだけご負担にならない範囲でお手伝いさせて頂きます。

 

この記事を書いた人:小林樹夫

所属:代表取締役 担当:皆の社長(笑)

小樽の漁師町の生まれ
人生の前半を小樽、函館で過ごし、酸いも甘いも色々経験(笑)後半の人生は、死ぬまで札幌で修行の予定。
さていよいよ50代最後の1年、来年は折り返しの年です。頑固でありながらも、いつまでも柔軟な感性を失わない、しなやかな社長=親父=おやじを目指してます❗