社長ブログ2020年05月08日

戦後と新型コロナウイルス

この写真は戦後のイメージで、文中の戦後闇市の写真ではありません

 私が生まれたのは昭和38年で、いまから考えると太平洋戦争が終わった昭和20年から18年後のことです。当然ながらの戦後世代ですが、改めて振り返ると、結構まだ戦争の名残が残っていたかな、と思える子供時代でした。街には戦争中の国民服を着た片足のない人がハーモニカを拭きながら小銭を恵んでもらっていたり、テレビの中では太平洋戦争の記録映画が放送されていたり、軍歌が歌われていたり・・・親からは結構頻繁に戦時中の話を耳にしたりと・・・そして、昭和、平成と時は流れて、今令和のこの時代、そんな太平洋戦争を思い返すような世情は跡形もなく消え去ったかのように思っていましたが、今年に入ってからの新型コロナウイルスによる世界的な経済活動の停滞の中、必死で生き抜こうとしている人々の姿に、太平洋戦争後の「闇市」を想起させるようなエネルギーを感じています。戦後生まれの私ですから、当然戦後の闇市はテレビで見聞きしたものでしたか判りませんが、荒涼とした時代を必死で生き抜こうとした人たちのエネルギーを感じる出来事である反面、人間本来の生きる力の前では法律や秩序は無力なのだ、という一面も感じる出来事でもあります。

 今、このコロナ渦の中、正規のドラッグストアで品切れのマスクが飲食店や衣料品店などでも売られているとか。原料が品薄・・・などというもっともな理由で高値で売り買いされているマスク、本来の飲食店の商売での売上が激減している中、マスクを売ってしのいだという記事も目にしましました。また、飲食店が始めたテイクアウトやデリバリーのサービスも、市井の人々の逞しさのエネルギーを感じますが、実はそこには法律から外れている行為も見受けられます。ネットニュースの中のコラムに、「実は法令違反だらけ・・・!飲食店「持ち帰り・デリバリー」のやばい実態」という衝撃的なタイトルの記事を投稿した方もいらっしゃいましたが、書かれていることは至極もっともの正論でした。ただ、このコロナ渦で生き抜いていかなければならない飲食店の実態を鑑みれば、多少の法律違反も仕方がないのか・・・と考えてしまうのです。

 お店さえ残れば、会社さえ守れれば・・・私も経営者ですので、当然今はまず会社を守ること、生き残ることを優先で考えています。そしてお客様の中には飲食店やホテル関係の方もいらっしゃいますから、当然お店を残すことを優先で考えてほしいと願っています。でも、生き残ろうとして新たに始めたテイクアウトやデリバリーで食中毒を起こしては元も子もありません。先ずは、所轄の保健所に相談して、できる限り法律を守り、そして適切な衛生管理のもと、テイクアウトやデリバリーといった新しい取り組みにチャレンジしてもらいたいと思っています。そして、何か相談事がありましたら、弊社へご一報くださればと思います。

 戦後の闇市と今このコロナ渦での人々の動き・・・全く異なるものではありますが、人が生き抜こうとするエネルギは時代を超えて一緒なのだな、と感じます。

この記事を書いた人:小林樹夫

所属:代表取締役 担当:皆の社長(笑)

小樽の漁師町の生まれ
人生の前半を小樽、函館で過ごし、酸いも甘いも色々経験(笑)後半の人生は、死ぬまで札幌で修行の予定。
さていよいよ50代最後の1年、来年は折り返しの年です。頑固でありながらも、いつまでも柔軟な感性を失わない、しなやかな社長=親父=おやじを目指してます❗